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第2話(7)
「今月はジュレも色々あるよ?グレープフルーツは甘さも控えめでオススメだよ?」
「「じゃあ、それで!」」
2人のキュンキュンしてる顔。
たーんじゅんっ!
「すぐ準備するね!」
僕はにこっと笑ってからカウンターに向かって注文を通した。
「さくさん、そのキャラ疲れません?」
カウンターから顔を出した戸川がドリンクを置きながら苦笑いをしている。
「んー?かわいいだろ?僕!」
顎に指を当てて首を傾げると、戸川はちょっと呆れたような顔をした。
ランチタイムも終わりが見えてくる頃に大学1年のバイトの芳井 が出勤してきて、僕と戸川は昼休憩に入る。
昨夜は疲れたのに寝苦しくて更にストレスを発散できなかった分、今夜は思いっきりハメを外したかった。
スマホを片手にスワイプしていると、
「いいネコ見つけたんじゃないんですか?」
戸川は今日の賄いのシーフードパスタをフォークに絡めながら聞いてくる。
「んー?見つけたよー?でも、それはすぐ喰えなさそうだからさぁ」
いくら出会系アプリを見てみても今日はなかなか好みが見つからない。
「ねぇ、戸川ぁ!僕のこと抱いてみる?」
テーブルに両肘を付いて上目遣いをしてみたが、
「抱かれる気なんてないクセに。途中でやっぱ……って組み伏せてきそうなんで絶対嫌です」
戸川はキッパリと断ってきた。
「かわいい僕の誘いを断るなんて!」
「かわいかろうが俺は興味ないんで」
戸川のこういうとこ……真面目過ぎだと思わない?
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