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第3話(7)

 あくびをしながらのそりと起き上がってぺたぺたと歩いて風呂場に向かう。  着ていたTシャツを脱ぎ捨ててシャワーを頭から浴びると、キュッと水を止めて髪を掻き上げた。  タオルで簡単に拭いて肩に掛けると、そのまま部屋に戻って小さな冷蔵庫の前でしゃがむ。  炭酸水のペットボトルを出してプシッと音をさせながら開けると半分くらい一気に飲み干した。 「あー」  そのまま床に座って薄暗い天井を見上げる。  一応の遮光カーテンは常に閉めているからこの部屋に朝日は入らない。  頭から床に垂れた水滴を拭って立ち上がる。  クローゼットからパンツを出して穿くと、オーバーサイズの真っ白なロングパーカーを着て黒いスキニーを穿いた。  スマホを見ると時刻は13時5分。今日の3時間目の授業まであと25分。 「久々によく寝たなぁ」  昨夜はゼリーと帰ってきてロールケーキを食べただけの僕はさすがに少しお腹が空いてキッチン戸棚を開けて栄養補助食品のゼリータイプを口に咥える。  メッセージがあるのに気づいてSNSを開きつつドライヤーで髪を乾かした。  今日はバイトもない。  タタッと指を動かして『いいよ。いつものホテル?』短い返信を送る。  髪を整えつつ軽く甘いバニラの香りの香水をつけた。  クリーム色のトートバッグを肩に掛けると、うさぎのチャームが軽く揺れる。  咥えていたそれをゴミ袋に直接捨てると、スマホはポケットに入れて玄関に向かった。

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