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第6話(3)
夕方にバイトを終えて着替えた僕はスマホにメッセージがあることに気づいた。
送り主はラビ。
一瞬、店長の言葉が頭を掠めるが……アプリで出会いに行く訳じゃないか!アプリで既に出会っている相手に会うならいっか!
とさっさとOKしてアパートに帰ろうと歩き出す。
いつものようにすぐにシャワーを浴びて髪を乾かした。
普段はオーバーサイズの白系の服を好むが、夜、遊びに行く時は黒系のシンプルな服を着ることが多い。
香水もいつものバニラではなくシトラスを選択するのはあえてだ。
僕の中のスイッチを切り替える。
かわいいみんなの“サクラちゃん”から夜、欲望をぶちまける“サク”へ。
鏡の中の僕は口の端を上げて獲物を捕食する準備を整えているように見えるかもしれない。
店長、僕さぁ、1人でとかヤった気にならないんだよ?
虚しいっていうか、笑えてきちゃって?
埋め込んだその内側の熱を感じたい。
キツいくらいの締め付けを思いっきりこじ開けたい。
引き締まった筋肉を押さえつけてその顔を歪ませたいんだ。
その欲には抗えない。
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