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第6話(7)

「おい、花まで戻す必要あるか?」  肉を運んできた店長は睨みながら僕にも皿をくれてガタンとイスに座る。 「え?デートの雰囲気出るかな?って」 「何がデートだ!フザけんなっ!!」  僕も皿を置いて座りながら笑うと店長は凄い形相でこっちを睨んだ。 「えー?一緒にディナー食べて後でケーキですよね?立派なデートじゃ……」 「刺すぞ!クソがっ!!」  フォークをクルッと回して構えるその様子はかなりマジで一応黙る。  店長に冗談は通じないし、本当口が悪いだけではなくすぐ手なども出るらしく、ガッと足で僕の脛を蹴ってきてさすがに眉をひそめた。 「……痛くねぇのか?」  自分が蹴ったくせにチラッとこっちを見てから口を開いて、店長はすぐに大口で生姜焼きに食らいつく。 「めちゃくちゃ痛いですよ」  フーッと息を吐き出してから手を合わせると、店長は片手でスープカップを持ち上げてこっちを見た。 「なら、痛いだの何か反応あるだろ?添田は騒ぐぞ?」 「昔から柔道とかやってて慣れてるんで、そのくらいでは騒がないですよ」 「あー、この前のアレな。小股?」 「大内刈りですよ」 「それ」  絶対わかってなかっただろ……思いながらスープを口にする。  野菜のたっぷり入ったコンソメスープがやけに染みて、じっくり味わってしまった。

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