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第7話(2)

「くっそ……」  目を閉じて腕で顔を覆う。  ズクズクとかなりうずく下半身の熱には戸惑いしかない。  無視したいのに主張してくるその昂りにイラついているとまた耳元でバイブ音がし始めた。  切れないその着信相手はやはりナル。 『やっぱり来ねぇ?』 「いい加減に……」 『俺、挿れてるからその後ろから思いっきり突き挿してくんね?』 「そんな連結興味ないけど?」  呆れてきてわざとらしくため息を吐くと、萎えてきたそれが目に入って笑えてくる。 『?何だよ?機嫌よくなったのか?』  何かを感じたナルは好奇心丸出しで食いついてきた。 「ナル。僕、もうナルに勃たないかも」  くすくす笑いながら答えると、ナルは爆笑し始める。 『はぁー?ヤり過ぎて遂に勃たなくなったのかよ?』 「本気の相手ができた」 『…………は?』  たっぷりの間はきっと……うん、そうだろうね。  僕が本気とか信じられないんだろう?  ナルは根っからのセックス依存症。  僕がまだ高校生で実家暮らしだった時からの付き合い(やり取りだけなら中学生の頃から)だけど、ナルは毎晩……下手したら1日中ヤり続ける。  初めてナルとヤった時はどんな化け物かと思ったくらいだ。  さすがに35歳超えて最近は僕の方が完全優位だけど。

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