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第7話(4)
「今日どうしたんですか?」
休憩に向かいながら聞いてきたくせにため息を吐く戸川。
「んー?1人遊びとか久々にやって落ち込んでんの」
「え!?さくさんが!?」
ガンッと側にあった棚にぶつかるくらいびっくりする戸川を見て「だよねぇ」と僕もため息を吐いた。
「1人でってバカらしいって言ってませんでした?」
「モテないバカの手段だと思ってた」
「まぁ、かなり敵を作る発言ですが、そこはあえてスルーしますね」
スタッフルームのドアを開けてくれた戸川に甘えて僕はそのまま中に入って置いてあるイスに座るとテーブルに突っ伏す。
戸川はそのまま歩いていってカウンターの扉を開けると「ありがとうございます」と皿を受け取って運んできた。
テーブルにサラダとスープとドリアの皿を並べると、戸川はフォークとスプーンもセットしてグラスに水を入れてくれる。
「店長と何かあったんですか?」
やっと座った戸川が手を合わせているのを見て僕も手を合わせると、戸川はスープカップを持ち上げて首を傾げた。
「セフレに勃つ気がしなくなった」
「んぐっ…………は?」
ドンドンと胸を叩いて信じられないものでも見るような顔をする戸川。
うん。ナルは僕のハジメテでずっと1番身体の相性もいい相手だったんだから、僕が1番びっくりしてるんだよ。
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