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第7話(10)

 何か落ち着かなくて立ち上がると、僕は普段は閉めっぱなしの遮光カーテンに手をかけた。  部屋に光が入るのが慣れなくて片目を瞑ると夕方になってもまだ日の高い空を見つめる。 「……せっかく温かいし……すぐ食べるか」  呟くと、僕は手を洗ってから何となくテーブルに向かって正座をした。袋からタッパーを出してフタを開ける。  ピラフにオムレツ、エビフライ、コロッケ、マカロニサラダ。わざわざ仕切りを入れてみかんまで入っていて戸川の言葉を思い出した。 「……本当にわざわざ作ってくれた……んだな」  それだけで無性に店長に会いたくなる。ついさっきまで一緒に働いていたのに。 「本当……恋する乙女かっての……ねぇ」  笑いながら僕はフォークを持って少しずつ食べ始めた。  オムレツにかかっているデミグラスソースは僕の好物だし、今日のランチにマカロニサラダなんてなかったから……作ってくれたんだと思うとちょっと落ち着かない。 『今夜のご予定は?』  ご機嫌そうなナルからの電話も今、店長の料理に浸っている僕にとっては邪魔でしかなかった。  むしろ、ちょっと吐息を吐くように言われて、これが店長ならって思うとか……ヤバいな。

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