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第11話(2)

「で?お前は何してんだよ?」  ガンッと背中に痛みを感じて目を開けると、店長が右足を上げたままこっちを睨んでいる。  蹴られたのか……と認識しつつ、店長が居ることが少し嬉しくなった。 「ちょっと眠くて?」  起き上がりながら、もう夜!?そんなに寝てた??と視線を巡らしたが、窓の外は明るい。 「……その様子だと昼も食ってねぇな」  ため息を吐いて店長は寝室を出ていこうとしたが、眉を寄せて慌てて僕が持っていたシーツを引ったくった。 「店はいいんですか?」  後を付いて行きながらその後ろ姿に声を掛けると、店長は無言で洗濯機に突っ込んで洗濯を始める。 「ねぇ、店ちょ……」 「いつまで経ってもお前が来ねぇから昼休憩ついでに添たちに任せてきたんだよ!」  振り返って怒鳴ると、店長は僕を押し退けてキッチンに向かった。  慣れたようにタッパーを開いて皿にサラダとコロッケを盛り付ける。 「ん」  その2枚を渡されて僕は両手に持った皿を大人しくテーブルに運んだ。 「スープ作ってる時間はねぇし、朝の味噌汁だからな」  すぐに店長は味噌汁とご飯も運んできてくれて箸を手渡される。  相変わらずこっちは見ないけど、追い出すでもなく食事の準備はしてくれる訳で……うん。これはどう捉えたからいいんだろうね?

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