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第11話(3)
次の日。
「さくさん……店長に何したんですか?」
戸川がカウンターにドリンクを出しながら小声で聞いてきて、僕はそれをサービストレーに乗せながら肩を竦める。
昨日は結局ご飯を食べたらかなり雑に追い出されたし、今日バイトに来ても店長は一切こっちを見ない。というか……カウンターに近づいても来ない。
「うーん……店長、何か言ってた?」
「いいえ?ただ、すぐに「アレ、頼む」とか言って一切こっちのことしないだけで?」
ちらっと店長の方を見て、戸川が最後のドリンクをカウンターに置いた。
「やっぱり?」
避けられる覚悟はしていたが、こうもあからさまだとちょっと落ち込む。というか、寂しい。
ドリンクを運びながらとりあえず笑顔で接客をしてカウンターに戻ると、戸川は店長が作ったサンドイッチをわざわざ中継させられながら何やら訴えてきた。
「戸川ぁ。今日の休憩一緒に取ろ?話聞いて」
「いつも一緒のタイミングじゃないですか。まぁ、何となくは察したんでそれまで俺が繋ぎますよ」
ため息を吐きながらそのサンドイッチの皿を受け取って笑うと、戸川は次のドリンクを準備し始める。
添さんが休みで静かな店内を真面目な水城がただ丁寧に接客をしていて、僕はにこにこと笑顔を貼り付けながら目の前の仕事をこなした。
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