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第11話(5)

「一昨日、添さん企画の合コンに行って、店長が添さんと同高の巨乳女に飲まされてたから……」  その様子を思い出してちょっとイラッとする。  女を使って店長の腕に絡み付くあの姿は思い出すだけで吐き気がした。 「どうしたんですか?」 「店長を連れて帰った」  再び食事を始めた戸川を見ながら僕もスプーンを持ってとりあえずドライカレーを突付く。 「あー、店長もお酒弱いんですっけ?店長は飲むとどうなるんですか?」 「寝る」 「それだけ?」 「うん」 「じゃあ、何でそんな展開になるんですか!」  頷きながらやっとスプーンを口に運んだ僕は戸川の勢いにちょっと気圧された。 「いや……寝てる店長が……」 「が?」 「…………かわいくて」  何かやたら恥ずかしくなってきて声のボリュームが下がる。 「……本気で言ってます?」  戸川はかなり呆れた顔をしていた。 「さくさん!『だから、止めなくていいんだって。もう誤魔化さなくていいんじゃないの?好きなんだろ?』じゃなかったんですか?」 「はぁ?」 「前、雄吾に手を出しちゃったってモヤってた俺にさくさんが言ったセリフですよ?」  立ち上がって珍しく熱弁を振るう戸川をぼんやりと見上げる。  いや、僕は一応告ったのに本気にされなかったんだもんっ!!

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