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第12話(3)

「今日一緒だったのラビなんだけど、そのラビがサクのことめっちゃイイって言っててお前の話してたんだけどな。この前ハッテン場行ったら目が血走った奴がサクを探し回ってるって聞いたって言ってて……」  ナルの声のトーンからしてかなりマジな話だ。 「知り合いに聞きまくってそれがタクマだってわかったんだけど……あいつ、前のパートナーも病院送りにして警察の厄介になってるかなりヤバい奴らしいぞ!だから、とにかく今は1人になるな!」  そのちょっと切羽詰まった言い方に少しゾクッとする。  何となく裏通りから小走りで表の通りに出て僕は足を止めた。 「……ナル、ごめん。ちょっと遅かったかも」  目の前の男を見ながら通話を切る。  この通りを大学方面に走ればアパートはあるが、さすがに追いつかれるだろうし家をバラすだけだ。  かといって、店のドアは近いがルポに逃げ込む訳にもいかない。  店長が休みの日に揉め事を持ち込んで、しかも、それなりにお客様の居る店内になんて迷惑でしかない。  通話を切ってポケットに入れたスマホはさっきから何度もナルがかけてきているのか振動し続けている。 「お前、また逃げるなよ?」  ニヤリと笑われて僕はグッと唇を噛み締めた。

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