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第13話(3)

 様子を見に来た看護師さんを質問攻めにする翔にぃを「迷惑だよ」と宥める。 「心配だろっ!」  翔にぃに握られたままの左手を振り解くこともできず、頭を下げて去っていく看護師さんを見送った。 「あ、そうだ!これ、一応下着とかパジャマとか買って洗濯してきたからな!」  やっと手を離して立ち上がった翔にぃは紙袋からパステルカラーのパジャマや派手な色のキャラ付きパンツを出して広げる。 「着替えるか?」 「……ありがとう」  持っている白と淡いピンクのボーダーでふわふわのそれはどう見たってレディースのルームウェア。フードがついてピンクのポンポンまで付いているなんて……。  僕はもう21歳なのに……10離れていて自分が31歳になっても翔にぃの中で僕はまだ幼い子供なんだろう。 「あ、でも、点滴の管があって着れないか!」  僕に軽く当ててみて満足そうにしていた翔にぃは僕の右腕に気づいて慌ててナースコールを押そうとした。 「あ、翔にぃ!後で着替えるよ。今は……ちょっと寝てもいい?」  翔にぃの好きな角度。  ちょっと見上げて甘えると、翔にぃは慌てて僕をベッドに横にならせてくれる。 「あ、でもな。話だけは聞いてくれ」  自分もイスに座ってからゴホンと咳払いをして、翔にぃは真面目な顔をしてこっちを見た。

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