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第13話(5)
次の日、何を言われるのかあれこれ考えて、翔にぃが来ることに複雑な思いを抱えていた僕は早智子さんが顔を出したことでかなり脱力する。
「どうしたの?」
不思議そうな顔をした早智子さんは首を傾げながら持ってきていたトートバッグからいつものタッパー出した。
「実はこういうのが好きでしょう?」
そこに詰まっているのは煮豆や筑前煮、ひじきの煮物ときんぴらゴボウ。
確かに僕が好きなものばかりだ。
イメージ的に違う気がして学食とか普段人の目がある時はパンケーキとかかわいいものを選ぶようにしていたけど、こういう素朴な味の和食が実は好みだから。
「よくわかりましたね」
「怒る以外の感情表現が下手くそな雅美ちゃんをずっと世話してきてるからねぇ」
笑いながら「少しつまむ?」と取皿を出してくれてありがたく頂く。
午前中にやった検査の話とか店長の話をしながら笑い合って……穏やかなその時間がかなり心地よかった。
「あ、でも、早智子さんのお店はどうしてるんですか!?」
「元々そんなしっかりはやってないし、いつもの常連さんには食べてもらってから来てるから大丈夫よ!」
淹れてもらった緑茶の入った湯呑みを持って尋ねると、早智子さんは穏やかに微笑む。
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