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第13話(8)
「道前さん。……僕がバイトさせてもらってるお店の店長さんだよ」
「バイト?」
翔にぃがこっちをジロリと睨む。
きっと翔にぃは店長の見た目でもう店長をよくは思っていない。
更にバイトはしなくていいと何度も言われているのにずっと内緒で続けていたのがバレたのだ。
「学生なんだからバイトなんかしないで勉強しろって言っただろ!そんなことしてるからストーカーに狙われてこんなことになるんだ!」
怒気をこめて翔にぃが僕を見下ろした。
「もう実家 に帰って来い!」
「翔にぃ!待って!大学!!」
「送り迎えしてやる!高速2時間ちょっとで着くからな!」
こうなった翔にぃは何を言っても聞いてくれない。
だが、僕だってさすがに引けない。
「あの……」
ピリついた空気の中、歩いてきた店長は翔にぃとは反対のベッド脇にきて翔にぃをまっすぐ見た。
「……何ですか?」
さすがの翔にぃも自分より15cm高くて見た目は怖い店長にはちょっと声の張りが薄れる。
「佐倉はそんな悪いことしたんですか?」
「は?」
「実家に連れ帰って色々自由奪われるようなこと……こいつしました?」
店長はいつも通りだが、パッと見は睨んでいるようにしか見えない。
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