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第14話(2)
手作うことあるなら手作って明日からは元々のシフト通りにしてもらおうと思ったのに「邪魔だから帰れ」と店長に追い出されて、僕はため息を吐きながら道路を渡る。
エントランスを抜けて昼間は居る管理人さんに頭を下げた。
エレベーターに乗って……
「結局、出血が多かっただけで問題はなかったのになぁ」
呟いて壁に凭れ掛かる。
3階で降りて302と書かれた文字盤を眺めた。
表札は出ていないそこをしばらく見つめてパーカーの前ポケットから鍵を取り出す。
ドアを開けて靴を脱ぎながら後ろ手で閉めて廊下を歩いた。
リビングに入っても落ち着かなくて、再び廊下に出てすぐのドアを開ける。
床に置いてあるどう見ても新品のアイボリーの布団と焦げ茶色の枕。
それ以外は退院の時に持ってきた翔にぃからの着替えが入った紙袋しかない。
ポケットからスマホを取り出して時刻を見てもまだ17時にもなってはいなかった。
「荷物……勝手に取りに行ったら怒るかなぁ」
呟いて床に座ると、綺麗に畳まれた布団に凭れ掛かる。
この部屋だけでも今までの僕のアパートより広い。
「あ、明日からは大学行くからどっちにしても荷物取りに行かなきゃなんだ!」
立ち上がって部屋を出るとそのまま一気にマンションの下まで降りる。
「はは、店長の言う通り!」
エントランスから出ると、そこには戸川が苦笑いをして立っていた。
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