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第15話(2)
「あ"ー!めっちゃ腰いったい!!」
店長をベッドに転がした添さんは腰に手をやって首もゴキッと鳴らす。
戸川もフーッと息を吐くと、ジーパンからスマホを取り出してすぐにまた戻した。
「コーヒーなら淹れられますが?」
「いや、帰って寝るわ」
店長に掛け布団を掛けながら聞くと、添さんは大きく伸びをしてあくびもする。
「俺も……」
「大事なあの子が待ってんのか?」
「まだ寝てないらしいんでね」
帰ろうとボディバッグを掛け直した戸川に小声で聞くと戸川は余裕の笑みを見せた。
からかってやろうと思ったのに……本当、かわいくない。
「ま、明日は店長休みだからゆっくり寝かしてやって」
「え、明日木曜……」
再びあくびを噛み殺す添さんを見上げると、添さんはにっこりと笑う。
「今日が退院になるからってさくちゃんの荷物運んだりできるように火曜日出動して俺とシフト変わってんの!」
「でも……」
「早智子さんが来てくれるからキッチンの心配も要らないんだよ!今は甘えとけ!」
ポンポンと頭を軽く叩かれて添さんを見上げた。
微笑む添さんとまたスマホを見た戸川を見送って、僕は冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを出して店長の寝室に向かう。
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