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第15話(6)

 迷って思考を他に切り替えようとしても、下半身は余計に熱を帯びている気がする。 「あーもうっ!」  ベルトを外してチャックを下ろすと下着の中に迷わず手を入れてほぼ成長しきった自身を握った。  自分でも引く硬度とすぐにでも達しそうな事実に落ち込む。  背中にはぴったり店長がくっついていて、むしろ、胸は店長に抱き締められているのに……目の前にある店長の太い骨張った腕を見てまたドキッとした。  相性よくない相手の時はもう引き抜いて自分で触ってから腹にぶちまけてやることもあるが、それとは違う。  ただの自慰行為を抱き締められながらするなんて。  寝ているとわかるのに、背中に感じる店長の温もりも首筋に当たる寝息も腕の力強さも…… 「くそ……っ」  ほとんど触っていないのに手のひらでは受け止めきれない量の欲が勢いよく溢れた。 「……どーしよ……」  やけに気怠く思考までうまく回らないまま呟いて深い息を吐く。  早く処理しなきゃ……と思うのに、動けない。  ドロドロの手も、結局汚れた下着も気持ち悪いのに心臓はバクバク音を立てていて、息も軽く乱れていた。  店長が軽く動いて僕の首筋に唇が当たる。 「……嘘だろ?」  それだけで、そこまで萎えなかった屹立は腹に付くくらい勃ち上がってまた期待の蜜を滲ませていた。

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