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第15話(7)
ほんの少し微睡んでいたのかぼんやり意識を取り戻してハッとする。
ドロッと下半身に気持ち悪さを感じて僕は眉を寄せつつ、汚れてはいない左手を伸ばしてティッシュを掴んだ。
簡単に処理をして緩んだ腕からも脱出する。
その時にちょうど店長が寝返りを打って、顔が見えなくなったことにホッとしながら寝室を後にした。
そのまま風呂場に向かってドアを閉めるとズルズルとドアに凭れ掛かったまま床に座り込む。
「……」
中途半端に乾燥した白濁。
深く息を吐いてからのそりと立ち上がって服を脱いだ。
熱いシャワーを浴びながら手を擦ってその体液を流す。
何度もため息を吐いてシャワーを頭から浴びたまま壁に手を付いた。
少し目を閉じるだけであの店長の腕の力強さも首筋に当たった唇の感触も背中にあった温もりも思い出してしまう。
目を開けると、また反応している下半身が目に入って頭を抱えた。
「これ……無理かも……」
呟いて手を伸ばす。
手の動きを早めてギュッと目を閉じた。
程なくしてドロリと出た欲はそのままシャワーで流されていく。
同居初日に……僕はしゃがみ込んでただシャワーに打たれながら項垂れた。
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