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第17話「逃さない」
飲み込んだのを確認して解放すると、店長は咳き込んでから口元を抑えてこっちを睨む。
「……お前、何したかわかってるか?」
低い怒りを抑えるような声に僕はゆっくり姿勢を正して正面で正座をした。
「わかってますよ。……でも、謝る気はありません」
まっすぐ見つめ返すと、店長は眉をピクリと動かす。
「僕は本気ですから。千冬さんに店長を取られるくらいなら……女に奪われるなら無理矢理でも繋ぎ止めます」
「は?」
何を言っているんだ?というような嫌悪するような眼差し。
「女では満足できないように。後ろを触られないとイケないように身体に染み込ませますよ」
「何言って……」
「僕に堕ちて下さい」
ふわりと微笑むと、店長は布団をギュッと握って目線を外した。
「フザけ……」
「だから、本気ですよ。真面目に言ってます」
バカにするような店長に近づいて視線の先に滑り込む。
どれだけ睨まれても微笑んだ。
「覚悟して下さいね。好きなんですよ。あなたのことが」
顔を近づけてキスをしようとしたが、それは避けられて僕は苦笑いを零す。
「じゃあ、とりあえず……余裕なくヤってしまったので後始末しますか」
言いながら布団を剥ぐと、店長は慌てたように身を縮めた。
その姿が何かかわいい。
そして、その腹に残る白濁と後孔から僅かに垂れている情事の跡を見て僕はまたドキッとした。
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