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第17話(4)
朝、いつもより早く目を覚ましてリビングダイニングのドアを開けると、店長は既に朝食の準備をしていた。
「おはようございます。まだ痛みます?代わりますよ」
「てめぇ、よく普通に顔出せたな」
入ってすぐのキッチン部分へ足を踏み入れると、店長は思いっきりこっちを睨んでくる。
「……無理矢理ヤったことは謝りますが、僕の気持ちに嘘はないですから。あんなことしてでも店長を取られたくなかったんですよ」
言いながらその手からお玉を取って味噌汁をつけて鍋に蓋をした。
お盆にそのお椀を2つ乗せてからまっすぐ店長を見る。
「てめ……」
「諦めませんよ。もう引かないで攻めますから」
にこっと笑うと、ご飯もつけて箸と共にお盆に乗せて運んだ。
ゆっくり歩いてきて雑にイスを引いて不機嫌そうに座る店長。
カウンターにあっただし巻きと焼き鮭、海苔の佃煮を下ろして僕も座ると、店長はさっさと箸を持って食べ始めた。
こっちは一切見ない。
怒っているのを示すように態度もかなりトゲトゲしい。
でも、前みたいに避けられるんじゃなくて怒りをぶつけてこられるのは嬉しかった。
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