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第17話(5)

 まだ月の初めで決まったシフトをそこまでズラせないのと、やっぱり一緒に住んでいて顔を合わせない訳にはいかないからか店長は拒絶しながらも話はしてくれた。  追い出される覚悟もしていたのに、きっちり世話も焼いてくれる。  すっごい不機嫌に「俺が面倒みるつって引き受けたんだ」と舌打ちはされたけど。  本当、クソ真面目でかわいくて仕方ない。  文化祭2日目も代休の日もバイトを休みにしていた戸川は文化祭終わって打ち上げで飲んで二日酔いか?なんて添さんと話しながら開店準備をする。   「いやぁ、とがのことだから打ち上げで酔った女を喰って今頃目覚めの一発中かもしんねぇな。ズッリぃ」  戸川が幼なじみと付き合い始めてもう女は一切切ったことを知らない添さんは口を尖らせながら花を生けていた。  今日はうちの大学が代休だから客も減るだろうと早出は店長と添さんと僕のみ。  おやつタイムくらいに芳井が来てラストまでやってくれることになっているから、夕方に僕はあがって店長が帰って来るまで傍にも居られない。 「開店するぞ」  カウンターから顔を出した店長は目の前に居たのが僕だと気づくと、舌打ちをしてさっさとキッチンに戻って行く。  僕はため息を吐いてその後ろ姿を見つめた。

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