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第20話(5)
急に暖かさがなくなって目を覚ますと、店長はこっちを見てわなわなと震えている。
「……ねぇな」
「何がですか?」
「何も……ねぇな」
「ご自身のお尻でわかりません?」
起き上がって微笑むと店長は頭を抱えた。
「くそっ!何でお前も全裸なんだよ!」
「店長が抱き締めてくるから僕の服に店長のやつが付いたからですよ」
喚く店長にあくびをしながら答えると、
「……っ、なら着替えろよ!」
店長は顔を少し赤くする。
「着替えに行こうとしたら僕の手を離してくれなくて拭いててももう抱き締めてきて無理だったのに?」
その反応がおもしろくてニヤリと笑うと店長はもう聞きたくないというように耳を押さえた。
「千冬さんより気持ちかったでしょう?」
わざと近づいてその手をズラしながら囁くと店長は思いっきり睨んでくる。
「勃たないどころかイキまくったじゃないですか」
「そんなの酔ってたから……」
「あれは素質ですよ」
顔を背ける店長の耳にフッと息を吹きかけると、店長はビクッとして動きを止めた。
その背中にぴったりとくっついて肩に手を付くと店長は体を硬直させる。
「そういえば……あのテーブルの下にあるボックスの中、しっかり見ちゃいましたよ」
ビクつきながら逃げようとする店長を羽交い締めにして僕は真っ赤な耳に唇を付けた。
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