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第20話(6)
「せっかくだから使いましょうか?」
くすくすと笑いながら吐息と共に耳に直接送ると、店長は何度も身体を跳ねさせて縮こまる。
「ふっ、かーわいいっ!」
チュッとそのうなじにキスをすると、僕は「待ってて」とだけ言ってそのまま自分の部屋へ走った。
目当てのモノを持って戻ると店長はいつものボクサーパンツを穿いていて僕はため息を吐く。
「大人しく待っててよ」
「バカか!いつまでも男2人が全裸とかおかしいだろーがっ!!」
唾でも飛んでいそうな勢いに目を細めながら近づくと、店長はこっちを睨みつつ少し逃げ腰になって後ずさった。
「店長、僕ちょっと怒ってるんだよ」
「はぁ!?何で!!」
「僕ずーっと何度も好きだって言ってるのに無視して彼女作るし、女抱こうとか……ヒドくない?」
壁際に追い詰めて見上げると店長はこっちを睨みつつも舌打ちをして目を逸らす。
「クリスマス近いからって浮かれちゃったなら……もう店長はこっちに挿れられないと無理だってわからせてあげる」
「バッ!!……っ!?」
這わせた僕の手から後ろを守るように伸ばしてきた手首を掴んで持ってきたそれをカチリと付けると状況を理解させないままもう片方も拘束した。
「なっ!!」
背面の腰の辺りで手の甲を合わせるように拘束したために腕を動かせなくなった店長の困惑した顔。
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