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第21話(6)
朝、4時に起きて伯父の道場までの約2kmを走り、朝稽古をしてまた走って戻る。
大学のメンバーが見たらびっくりするような男臭い生活。
冬のパキッと澄んだ空気の中、素肌に道着だけで走るなんて……時代遅れ過ぎると思うが口には出せない。
家に戻ると、父の後でシャワーを浴びて朝食はみんなで手を合わせる。
父と翔にぃが食後にそれぞれ緑茶とコーヒーを飲みながらまたそれぞれ別の新聞を読んでいるのを横目に部屋に戻った。
地元に帰ったからといって会いたい人も居ないし、やることもない。
金曜のバイト終わりからだから店長と離れたのはこの土日の2日間だけなのに会いたくて仕方なかった。
大学の授業も始まるから帰ろうと思ったのに休校連絡なんかきて、しかも、たまたま翔にぃが目にして月曜日の仕事終わりに送ってくれるなんてことになったから……より店長に会いたい想いだけが募る。
月曜日が定休日になったから明日は店長もマンションに居るのに、翔にぃの仕事が終わるのを待っていたら……何時になるんだろう。
それでも新幹線で勝手に帰るという選択をできないのは……結婚という願いは叶えられないから少しでもやれることはしたいのかもしれない。
「……店長」
ベッドに転がって仰向けのまま、僕は腕で顔を覆って目を閉じた。
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