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第24話(4)

「サク!久しぶりでーす!」  明るく笑うラビを見て少し戸惑った。  図体はデカいくせにちょっと自信なさげで何度言っても同い年なのに敬語が抜けなかったあのラビとはちょっと雰囲気が違う。 「サク、俺も今はナルだからな」  祠堂さんに言われて僕は素直に頷いた。  本名は出さないということはやはりラビは今の祠堂さんの相手なのだろう。 「今日は3P?ナルさん好きですもんねぇ!真ん中っ!」 「お前を泣かせながらこっちも埋められるのは堪んねぇからなぁ」  にこにこ笑うラビとナルの会話を聞いてこの2人の大体のセックスは想像できた。 「サクさん、ずーっと連絡取れないから寂しかったですよー!」  急にこっちに顔を向けられて口を開こうとすると、祠堂さんがラビの肩を軽く叩く。 「こいつはもう誰ともヤんねぇの」 「えっ!?」  かなりびっくりしているラビを見て微笑むとラビはちょっと顔を赤くした。 「今は彼氏一筋。俺らで勃たせもしねぇぞ」 「えぇっ!?サクさんのセックス忘れられないのに……」 「ほぉ……お前、今日ガチで枯らすぞ」 「あっ、ちょっと!加減はして下さい!明日、結構キツそうな現場なんでっ!!」  戯れる2人が何か微笑ましい。  本命は作らないと祠堂さんは言っていたが、ラビとはかなりいい雰囲気だ。 「これ、差し入れのつもりだったからさ!2人で食べて!」  急に店長に会いたくなって、僕は2人に手を振った。

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