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第24話(6)

 次の日、朝からバイトで走り回っていると、珍しく土方のお兄さんたちが入ってきた。  近隣の大学やオフィスの女性客が多いこの店には珍しい客。  まぁ、昔の僕なら好みの感じは居ないかなぁ……なんて思っただろうけど。  もう興味もない僕は「いらっしゃいませー!」と声だけ出して案内する添さんを確認しつつ、グラスに水を入れておしぼりを準備していた。  中央にあるBといつも呼ぶテーブルに案内されたのを見て、その奥から順に横並びでやたら場所を取っている5人に水を出していく。 「え、サク!?」  一番手前の男に出している時に声を掛けられて僕はパッとその顔を確認した。  頭にタオルを巻いていた男はそれを外してクシャクシャっと潰れた髪を整えて笑う。 「ラビ!?」  さすがに……と声をひそめるとラビも小さくなって笑った。 「まさか仕事してるサクを見れるとはね」 「ふふっ、かわいいだろ?」 「カッコ良すぎて逆に顔のかわいさが際立つな」  キュッとネクタイを直すとラビは微笑んで僕の手を握る。 「ラビも、漢って感じでちょっとドキドキする」  耳に寄せて微笑むと僕は身体を起こして全体を見た。 「では!オーダー決まったらお呼び下さい!」  笑顔を振り撒くと「「はーい!」」と男たちが手を振る。  シャツの上からでもわかる盛り上がった筋肉に男臭い匂い。  昔の僕なら軽く反応しちゃったかもなぁ……思いながらいつものカウンターに戻ると、店長と目が合った。

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