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第25話(6)
目覚ましが鳴って温もりが離れたことで目を覚ました僕は目の前の腕に手を伸ばして「んっ」とキスを強請るように目を閉じてみる。
怒鳴るか殴ってくると思ったのにどっちもなくて目を開くと、店長は赤くなって反対の手で顔を隠していた。
「ちょっ……何、かわいい反応してるんですか」
「う、うっせぇ」
バッと振り解いて起き上がった店長は腰をさすっていて僕はちょっと無理をさせたのかもと反省をする。
昨夜は全然加減ができなかったから。
だって、ラビに嫉妬したとか……嬉しくて。
「あのまま寝ちゃったし、一緒にお風呂入りましょ?中にローションも残ってるだろうし」
「バッ、絶対来んなっ!」
やはり真っ赤になる店長は逃げるように新しく下着を掴んで部屋を出て行った。
僕はため息を吐きつつシーツを外してその後を追う。
「ちょっ!てめぇ!来んなって!!」
シャワーを手にしながら逃げようとする店長がかわいくて仕方ない。
「別に綺麗にするだけじゃないですか」
「自分でやる!しかも、お前、勃たせてんじゃねぇかっ!!」
怒鳴られて確認した僕は微笑むしかなかった。
店長と一緒に迎える朝が嬉しくて、僕にアレコレ反応してくれるのが愛おしくて……自分でもびっくりするほど止まらない。
結局、そのまままた盛ってしまって思いっきり睨まれた僕は仕入れに同行して荷物を全て運んでその日は言いなりになった。
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