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第26話(5)

「あ、あ"ぁっ!!ん……ぁっ!!」  ベッドに移動して、本当にもう何度ヤったのかわからない。  風呂場で結局2回シて、ここではもう抜かずにかなり腰を振っている。  もっと奥に僕を刻みつけておきたくて、1人残しておく間、少しでも僕を思い出して欲しくて。  もうかなり声も掠れて、雅美さんのモノはさすがに硬度もかなり落ちてきた。  それでもその腰を抱き締めて後ろから挿し貫くと声をあげて雅美さんもゆるゆると腰を動かす。 「イく……よ」  僕も息を乱しながら動きを速めると、雅美さんはギュッと内を締めて顎を突き出した。 「あぁ、アっ、あ"あ"あ"アァァーーーっっ!!」  ビクビクッと派手に痙攣してシーツに突っ伏す。  なかなか治まらないその背中を撫でつつ転がして張り付いた前髪を指で除けると、ぐったりとしたまま雅美さんは荒い息を繰り返した。 「……はる……と」  目も開けられないままうわ言のように言われてその頬にキスを落とす。  愛おし過ぎて窓の向こうが明るくなってきたのが嫌になった。  あと数時間で僕はここを出て空港に向かわなければいけない。 「ごめんね。……待ってて」  留学なんて取り消してしまいたいけど、これが僕の選んだ道だった。  卒業が遅れてでもしっかり自立した、僕の思い描く理想の男になるために。  イギリスでの生活を思うより、今は意識を途切れさせた雅美さんを抱き締めてバカみたいに残してしまったキスマークをそっと指でなぞった。

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