ーーー１年後。 「I have to go now. （もう行かなきゃ）」 　空港で立ち上がると、見送りに来てくれたローガンさんとソフィアさんも立ち上がって抱き締めてくれる。 「I'm going to miss you. Good bye. Take care.（寂しくなるわ。さようなら。元気でね）」 「Stay safe！（気をつけてな）」 　それぞれとハグをして微笑みあった。 「You too！Please send my regards to Alice！（２人も！アリスにもよろしくね）」 　今日は院の研究があってこの時間には来れなかったアリスにも伝言を頼んで２人に手を振る。 　ちょっと寂しくて何度も振り返った。 　ローガンさんがソフィアさんの腰を抱いて２人もいつまでも見送っていてくれる。 　日本のこと、僕のこと……色々話している時に恋人の話になって雅美さんのことは話してあった。 　ローガンさんもソフィアさんもアリスも、同性婚が認められている国なだけあってというべきか、誰も否定はしなかった。 　父さんにも母さんにも翔にぃにも決して言えないのに言えたのは……ローガンさんの弟、チャーリーさんのパートナーが男性だったからかもしれない。 　結婚をしている２人は本当に幸せそうで、多くのカップルにも会ったがみんな生き生きとしていた。 　長年抱えていた僕のモヤモヤも何か笑い飛ばせる気がするほどに。 「Bye……」 　呟いて、僕はその目に映る光景をしっかりと焼き付けた。