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all for one⑦☆

「嘘だ」 「嘘じゃねえし」 「じゃ……なんでそんなにいろいろ慣れてて、落ち着いてんだよ」 「別に落ち着いてなんかない。今だってめっちゃドキドキしてる。……ヒナがまた可愛いこと言うから」 「〜〜〜っ、そうゆうとこだよ!」 「?」  男に可愛いなんて言われて嬉しいと思うなんてどうかしてる。でも、そう思う気持ちがわかるから。俺だって、今までイヅルのことを何回も可愛くて仕方なくなった。  それは見た目とか、そうゆうんじゃなくて……思わず抱きしめたくなるような、愛しくて仕方がないっていうそうゆう感情からくる可愛いって思う気持ち。  そうゆう愛しさだってわかるから。  ……だから、嬉しくって仕方ないんだ。 「はは、すげえ真っ赤」 「そうゆうとこ……っ、ほんと、反則だぞ」  こんなに余裕で、天然でこんなことを言っちゃうくせにまだ童貞だとか。そんなのほんとにやってらんない。  やってらんないくらい……夢中になる。  首筋を降りて、乳首にイヅルの舌がゆっくり近づく。乳輪のまわりからそっと優しく口付けて、最後にきゅっと尖りはじめた先端に吸い付くように唇をあてる。 「……っ」  ビリビリっと電気が走るような感覚。男でもそこが感じるって何かで知っていたけれど。  吸われるたびにキュッと全身に力が入り、中心のモノがイヅルの手の中でビクビクした。  それに気付いているだろうイヅルは、何度も何度も優しく、少しずつ位置を焦らしながら、吸い付いてくる。 「っ、……そこ、なんか……」 「感じる?ヒナ、気持ちイイ?」  バカみたいにコクンと何度もうなづくと、満足そうに笑う顔。 ……いつのまにか、周りで滴る水滴が増してきた気がした  狭いシャワー室の中、お湯がでているわけでもないのに、顔がほてるし、身体中が熱い。ただ、真っ白く視界がぼやけてくる。  早く……早く、繋がりたい  ゆっくりとイヅルの指が後ろにまわる。ジャージが中途半端におろされて、むきだしになったそこを撫でながら、逆の手で蕾の回りをなぞる。  優しく撫でて、指を浅く抜き差しして蕾をほぐしていく。 「……ん」  自分の息がどんどん荒くなっていくのがわかる。  指が少し深く入ると自然とそこに力が入る。  なんだよこいつ。どこでそんな知識を入れたんだ。 「……キツい?」 「全然、ヨ、ユー……」  本当は少しキツいけど。でも、その方がいい。  その方が、そのくらいのほうが  ……イヅルをいっぱい感じられるから。 「イヅルっ……も、イイから……」  誘うように、イヅルの中心を撫でた。そうして逆の手で頭を引き寄せるように力をいれる。近づいたイヅルの唇が、オレの唇に重なる。  瞳をとじて、その心地良さに身を委ねる。  片方の足が上に持ち上げられて、バランスが保てなくて、俺は後ろの壁に体重をかける。あらわになった奥の蕾に、ググっとあたる感触。  ……目を瞑ったままでもわかる。  熱くなった、ドクドクと脈打つ、イヅル自身。    待ち望んでいたソレがズズッと奥にすすんだ時、悲鳴をあげる痛みよりも、繋がれた嬉しさで自然と涙がこぼれた。  それからどうしたのか、なにしたのか全く覚えていない。……ただ俺は泣きながら、夢中でイヅルにしがみついていた。  体を貫く痛みや圧迫感よりも、幸せすぎて夢中だった。はちきれそうな胸の高鳴りを体中に感じる。  ーーやっと掴んだ、手に入れたモノを離さないように 「……っ」 「あ、マズ……」  その言葉にはっと気付く。  腹の中がぐるぐる掻き回されたような変な感触だった。自分の中に自分ではないものが入っていて、 それが奥へと進もうとしているのがわかる。  言い表せない異物感と引き攣れるような痛みを感じたけれど、それに勝る喜びを感じたんだ。

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