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はじめての感覚

 彼が観念した様子だったから、周りを慣らすみたいにして蠢かしていたゴムを装着した小指の先を、優しく挿入した。 「木元!それホントに、やらないと駄目なのか?」  震える声で、枕に顔を押し当てたまま田橋さんが聞いた。  だから俺は笑いそうになるのを必死で堪え、自分だってやりたくはないのだと暗に訴えるような言い方をしてやった。 「うーん。まぁ田橋さんが、ちゃんとED治したいなら?  でも止めて欲しいなら、すぐに止めますよ。  だって俺にはこんなの、続けるメリットなんて無いですし」  めちゃくちゃ美味しい展開に興奮しながらも、わざとゆっくり指を彼の中から引き抜いた。 「……気を悪くしたなら、すまん。  木元、続けてくれ」  指を出し入れしやすいよう、また腰を高く突き出す田橋さん。  ……アホで可愛いなぁ、ホント。  指じゃないの(・・・・・・)を突っ込みたい衝動に駆られたけれど、それはグッと我慢した。  ゆるゆると、中を広げるようにして指を動かす。  痛みを与える事無く、少しずつ、これが気持ちの良い行為なのだと、無垢なカラダに教え込んでいった。  最初は違和感しか感じていなかったはずなのに、前立腺と思われるコリコリした塊を刺激すると、徐々に乱れ始めた田橋さんの呼吸。  頃合いを見計らって抽挿を開始すると、やがて彼は、戸惑いながらも甘い声をあげ始めた。  女の子のものとは異なる、獣みたいな喘ぎ声。  でもそれが俺には、可愛くて仕方がない。 「ほら、田橋さん。  もう勃ってるの、分かります?」  田橋さんの右手を枕から離させ、すっかり大きく勃ち上がった彼の分身を握らせた。

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