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疑似的な行為

 ハァハァと、息を乱す田橋さん。  想像の中で俺は、何度も彼の事を抱いてきた。  だけど実際の彼は、俺の陳腐な想像なんかよりも何倍も、何十倍も卑猥だった。 「ほら……逝っていいですよ。  俺も、もう……出ます……から!」  彼の中に突き入れた指を、ぐちゅぐちゅと出し入れしながら腰を打ち付けた。  すると田橋さんも、夢中で自分のモノを握って激しくしごいた。  一際激しく突き上げながら、彼の鍛え上げられた肉体を、後ろから強く抱き締める。  すると彼は、甘えた声で俺の名を呼んだ。 「木元……!木元ぉ……っ!」  ふるりと体を震わせ、彼が達したのを感じた。  だから俺も太ももに挟んだまま彼の肩にガリッと歯を立て、白濁した欲望を吐き出した。  しかしそこで、ようやく我にかえった。  ……いくらチョロい先輩でも、アウトだと気付いたのでは?  抱き締める力を弱め、彼の体を解放した。  怒られるだけなら、まだいい。  ……でももし、嫌われたら?  恐る恐る、彼の顔を見つめた。  すると田橋さんは、困惑したように俺の事を見つめ返して。  ……それから、あまりにも予想外の言葉を口にした。 「やった、勃った……。しかも、逝けた!  ありがとな、木元!」  突っ込んではいないものの、ほぼレイプしたにも等しい状況だというのに、感謝の言葉を述べられた。  両手をガシッと強く握られ、ブンブンと上下に揺さぶられる俺。  ……天然って、ホント恐ろしいな。  しかしこうなると、これで終わりにするのは惜しい。惜し過ぎる。  ……絶対、堕とす!  改めてそう心に決めた俺は、にっこりと微笑み告げた。 「どういたしまして。  でも今回は上手くいきましたが、これで完治したとは思えませんけど。  ……どうします?」

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