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第5話
なっ!!!!!????
兄貴はまじまじと写真を見つめる。
「ーーー・・・・・・へー。何だか中性的で可愛い、というか綺麗は子ですね?」
はっ??????
「で、この子がどうしたんです?制服っぽいのを着ているので女子高生ですよね?」
俺は兄貴の隣で真っ青になりながら、兄貴の信じられない言葉に唖然として何も言えない。
それがわかっている祖母は笑いを堪えているし、祖父は面白いものを見たかのように目が輝いている。
「お前、女に興味ないと言いつつ、この子には興味あるのか?」
クソじじい!!!!!!
余計なこと言うな!!!!
「興味というか、何だか中性的で、ただ本当に綺麗な子だなというだけです。でも女子高生ですよね?そんなの俺からしたらただの子供ですが?」
「まあ、これは12年前位の写真なのよ。」
祖母も笑いを堪えながら演技をする。
この二人は兄貴が女に興味持てば何でもありなのか!!??
「へえ。それじゃあ、今は30前くらいですか。どんな感じの子かーーー・・・・・・ちょっと見てみたい気もしますね。」
「ーーー・・・・・・は?」
「そうか、そうか、透はこの子に会ってみたいか。」
「ふふ、初めて透が女性に興味を示したわね。」
「なあ、」
と兄貴が写真から目を離し、俺を向く。
「晃はどう思う?」
「は?」
祖父母は余計なことは言うなと目配せをしている。
「ど、どうって、」
「会ってみてもいいと思うか?」
「な、何で俺に聞くんだよ。」
「ん?何となく。」
こいつの目は節穴か!?
頭、おかしいんじゃねえの!?
「知らね。勝手にしろよ。」
言いたいことは色々あったけれど、何かものすごく疲れて心底どうでも良くなって適当に返事をした。
祖父母は本当に本当に楽しそうに笑っていて、来週の土曜に二人で会うという予定を組まれた。
21時。
食事会は終了し、祖父母は迎えに来た運転手さんの車に乗って帰って行った。
俺達は店の駐車場に停めた車に乗る。
しばらく走っていると、ミラー越しに兄貴と目が合った。
「ーーー・・・・・・兄さん、さっきの」
「俺さ初めて女性に興味持ったかも。」
俺が何か言いたそうにしてたことには気づいた癖に遮ってそんなことを言う。
その顔は面白いものを見つけたような、何かを新しく発見したような顔をしている。
「着きましたよ。」
兄貴のマンションに到着して、ドアを開ける。
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