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第8話

「俺は晃でも問題ないよ。」 「ーーー・・・・・・は?」 「いやいやいや、何言ってんの?問題しかねえよ!俺は家庭的で世話焼きな彼氏を作れって言ってんだよ。何で弟の俺なんだよ!?」 意味わからなさすぎて慌てている俺をよそに、兄貴がじっーと俺を見る。 「な、何!?」 「んー、いや、こうよく見るとさ、お前って顔いいし。料理とか掃除とか色々家事できるし。割とマジでありかもとか思ってる。」 「いやいや、バカじゃねえの!?俺は仕方なくやってんだよ。どっかの誰かさんがやんねえからな。それに俺は彼氏見つけろって言ってんだよ。」 「なあ、」 そう言って、自分の持ってるグラスと俺の持ってたグラスをテーブルに置くと。 ーーー・・・・・・トサ は?何、この体勢。 何故だが俺は兄貴に組み敷かれていて、目の前の兄貴が真剣な顔で見ている。 「俺さ、本当割と何でもありでさ、兄弟とかも全然関係ないっつーか。そりゃこれが妹とかだったらさ、なしだけど。お前、男じゃん。万が一の心配とかないし。お前なら余裕で抱けそう。」 いや、抱くとかーーー・・・・・・意味不明。 「なあ、試してみる?最後まではしないけど、俺に抱かれてみない?」 「だ、抱かれ!?は?な、何言ってんの!?意味わかんねえし!」 押さえつけられている腕を振り解こうにも意外と力強くて振りほどけない。 何が何だかわけわかんなくて、焦る気持ちだけがあって・・・・・・。 ーーー・・・・・・気づいたときには、キスされてた。 あまりにも突然で目閉じてなかったとか、そんなことはどうでもよくて、ただただびっくりして固まるしかなかった。 ほんの数秒なのか数分なのかわからないけれど、兄貴が俺から少し離れると、いきなりふわっと笑う。 「お前さ、28だろ?何、その可愛い反応。」 は? 「晃、顔真っ赤。」 なっ!? 「ちょ、いいから退けよ。何してんだよ。俺はソッチの趣味ねえよ。」 ジタバタ藻掻くが手の力を緩めてはくれず、兄貴に見下されて喚くだけ。 「嫌だ。なあ、もう一回、ちゃんとしたのしていい?」 「は!?だ、ダメにきまっ、」 言い終える前に先程と同じように唇を重ねられる。 舌先で唇を舐められたかと思うと隙間から入ってこようとする。 俺は僅かに抵抗したが、そのまま押し入られてしまった。

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