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第17話

なんて思っていたけれど次に目を覚したら、ガッチリとホールドされていたのは解かれていて、その代わり。 「晃、おはよう。」 片肘をついた兄貴の無駄に爽やかな笑顔が目の前に現れたもんだから、俺は慌てて起き上がった。 「いや、何見てんだよ!?」 「え?だって、初夜の次の日は先起きたほうが寝てる方の寝顔眺めてるのってセオリーじゃね?」 悪巧みというか、からかって楽しんでるというような笑い。 「そんなセオリー聞いたことない。」 楽しそうに笑う兄貴を退けてベッドから降りる。 「晃、晃。」 手招きして呼ぶから何か用事かと思って近寄ると腕を引っ張られそのまま、ちゅっと軽いキスをする。 「なななななな!!?」 「はは。これくらいで赤くなるとは本当に可愛いやつだな。」 「もう、いい加減にしろって!!!」 呼ばれて近づくとか普段の仕事じゃ当たり前になってるから、恐ろしいもんだ。 「朝ごはん、よろしくー。俺はシャワー浴びてくる。」 そうヒラヒラと手を振りシャワーを浴びに行った兄貴を見送り、俺は長い溜め息をつきながらキッチンへ向かう。

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