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第22話
温泉宿清流旅館は車で2時間くらいのところにある。
俺が運転してる間、スマホで流してる音楽の鼻歌歌ったりなどいつの間にかイラついてなくてその代わりやたら機嫌良い兄貴を横目にオレはため息をつきたい気分でしかない。
「あ、コンビニ寄ろうぜ。」
兄貴に言われて近くのコンビニに車を停める。
酒やらおつまみやらお菓子やらを買い込んで、車の後部席に乗せる。
せっかくの休日が兄貴と二人で旅行とかわけわかんなくて天気良いから家のことやりたいのにとか、休日くらい仕事とは切り離した生活したいとか思ってたけどーーー・・・・・・。
都内から幾分か離れた海沿いの側道を適度なスピードで車を走らせるのは気持ちが良い。
季節的にも暑くもなく寒くもない春の陽気で窓を少し開けると心地良い風が入ってくる。
助手席に座るのが上司でもある兄とか気にしなければ、男の俺でもまあまあ良いんじゃないかって思う声で運転の邪魔にならない声量でよくわからない洋楽を口ずさんでるのも心地が良いなんて思う。
俺も大学で外国語はやってたし、日常会話くらいならそこそこできるけどーーー・・・・・・。
チラっと横目で兄貴を見る。
適当に口ずさむときですら、発音とか綺麗だし歌詞見ずに全部歌えるとか、ホント同じ親から生まれた兄弟なのにこの差は何!?
こいつが例えば頭も良くなくてバカで家のことも何もできない、仕事もできない、周りの空気も読めない、どうしようもない奴だったら一々自分との差とか考えないんだろうけど。
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