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第23話

何でもできちゃうからなあ。 本当は俺が毎日毎日世話焼かなくても俺以上にできる奴なのに。 それに俺なんかより断然モテるしなあ。憧れ、尊敬、恋愛的な色んな意味で本当に老若男女問わずにモテる。 「・・・・・・はあぁぁぁぁぁ。」 何か色々考えすぎて虚しくなってきて思わず盛大なため息が漏れてしまった。 「なあ。次どっか車停めれるところあったら停めて。」 ため息を思い切りついた直後にそんなこと言われて一瞬ヤバって思ったけど、ちょうど目の前にパーキングらしきものがあったから車を停めた。 「何?あと40分くらいで着くんだけど。」 もうこのまま一気に行けばいいのにと思って兄貴の方に向いて言った。 兄貴はシートベルトを外していて。 「代わる。」 「は?」 「運転代わる。」 そんなことを言いながら助手席のドアを開ける。 俺も慌ててシートベルト外して車を降りた。 「え?どういう心境の変化?」 兄貴は免許を持ってるし問題はないんだけど。あ、ちなみに兄貴は車だけじゃなくて大型二輪の免許まで持ってたりする。俺は車だけしか持ってないけど。 「たまには運転しとかないと鈍るしな。」 助手席と運転席を代わって、シートベルト締めながら言う。 「へー。珍しい。」 いつもはやらないくせに、と若干嫌味が篭ったトーンで返すと、特に気分害することない様子で、うるせーとだけ返ってきた。

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