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第24話
サングラスかけて洋楽口ずさみながら運転する。
そういえば兄貴が運転するのって初めて見たような。
仕事中は俺が運転手も兼ねてるし。
助手席の窓に寄りかかりながら運転席にいる珍しい姿をボッーと眺めていたら、歌うのをやめた兄貴がチラっとこっちを見た。
ドキっーーー・・・・・・。
「晃、お前見すぎだし。」
そう言うと何がおかしいのかクスクス笑う。
「あー、ごめん。」
てか何を俺はドキドキしてんの!?
コイツは兄貴だし!!
「別に?俺は晃に見られるの好きだしいいよ。」
俺に見られるのが好き、とか・・・・・・意味、わかんねえしッ。
急に物凄く恥ずかしくなって座り直して窓の外を見る。
まだクスクス笑ってる兄貴が何故か俺の頭をポンポンと撫でる。
「ホントお前って可愛いねえ。」
さらに意味不明なことを言いながら、楽しそうに笑ってる。
彼女とドライブデートみたいなものはしたことないけれど、もしもしてたらこんな感じだったのか?と思いたくなるほど微妙に甘ったるい雰囲気で恥ずかしいし、男で兄だし意味不明なんだけど、それが妙に心地良くて、昨夜一度だけ過ぎった感情がまた過ぎる。
「・・・・・・可愛くねえよ。兄貴の馬鹿野郎。」
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