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第33話 自覚

離れていく感覚がして思わず離れたくなくて自ら兄貴を求める。 兄貴の首に腕を巻きつけて身体を少し起こした体勢で俺からキスをする。 舌を口内へ押し込み、昨日のキスを思い返しながら同じように舌を絡め求める。 あー、これってもう完全にアウト。 気付かないフリしてた、後戻りできない道へと堕ちていく。 兄貴、好きだーーー・・・・・・。 好きだ、好きだ、好きだーーー・・・・・・。 離れては求めて離れては求めてどちらともなく深く深く口付ける。 キスされながら自覚してしまった。 好きだーーー・・・・・・。 兄に対して抱く感情じゃない。 そんなこと、許されるわけない。 言えない想いを打ち消すように兄貴を求める。 どれだけキスを繰り返したのか互いの息が上がっていて、うっすら視界がボヤけてたりもする。 それに気づいた兄貴がぎゅっと力強く抱きしめ、兄貴にすっぽりとおさまった俺の背中をあやすようにポンポンと撫でる。 単純すぎる。 与えられた快感が良すぎて好きになるとかどうかしてる。 でも俺は何でも卒なくこなし、泣いてるときには背中をポンポンと優しく撫でてくれたり、褒めるときには頭を撫でてくれる兄貴がガキの頃からずっと好きだった。 「お前どうしちゃったの。」 抱きしめたまま少し身体を離した兄貴が優しい顔で言う。 「別に。なんか、めちゃくちゃキスしたい気分になっただけ。」 「はは、何だそれ。」 「わかんない、けどッーーー・・・・・・雰囲気とかさ、なんか色々重なって、兄貴にキスしたくなったんだよ。」 我ながら苦しい言い訳だけど、兄貴が機嫌良いからまあいいか。

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