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第34話
「ーーー・・・・・・(ボソ)ホント可愛すぎて無理。」
「何か言った?」
「ん?何も言ってないよ。さて、行こうか。」
「そーだな。」
俺たちは旅館へ戻ることにした。
また手を繋ぎたいとも思ったけど男同士で兄弟でおかしいだろうと思い、それはやめた。
昨日というか、今日の朝までこんな奴好きになるつもりなかったのに。というより、男を好きになるはずじゃなかった。
しかも同じ親から産まれた兄弟なのにありえない。
◇◇◇◇◇◇
旅館に着くと夕飯までには時間あるし、風呂でも入るかと風呂の用意を始めた。
「おいおい。どこ行くの?風呂なら目の前にあるだろ。」
「え?」
「せっかく温泉付きの部屋なんだから、そこで入るに決まってるだろう。」
「・・・・・・そう、なの?」
まだ明るいのに部屋から丸見えの風呂に入る?
男同士だし別に修学旅行とかで大浴場とか入ったこともあるんだけど・・・・・・けど、けどさあ!!
恋愛的な意味で好きかもと自覚したその日にその相手の目の前で風呂入るとか、俺の心が持たなさそうなんですが!?
見られてるって感じるだけで変に意識するってか・・・・・・いや、断じて俺はマゾヒストではないんだけど!!
俺が部屋の中の風呂を見つめながら悶々と考え込んでいたらいつの間にか裸で下半身にタオルを巻いた姿の兄貴が視界に入る。
ドキドキドキドキーーー・・・・・・心臓がうるせえ。
「ほら、行くぞ。」
「へ?あ、兄貴も一緒に入る、の?」
「当たり前だろ。」
いやいや当たり前って何!?
何で当たり前なの!?
今まで一度もそんなことしたことないけど?
幼い頃ならいいとして、大人になって兄弟で風呂入るとかおかしくね??
あー、でも兄弟ならおかしくねえのか?
わかんねえ。
「晃、おそーい。」
風呂場から少し響く声が聞こえると内湯に浸かってる兄貴が部屋に向かって叫んでいた。
俺は仕方なく服脱いでタオル巻いて風呂へと向かった。
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