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第35話
露天風呂を背に兄貴と少し距離置いて内湯に浸かる。
近づくと俺が何となくヤバイ気がする。
長年彼女とか好きな人がいなかったせいか健全な男として欲求が・・・・・・つまりは兄貴とセックスに近いことをしたせいで性欲が治まらない。したくてたまらない。
触れたくて堪らない。触ってほしい。
キスしたい。抱かれたい。
頭の中が兄貴との行為でしか考えられなくて身体が火照る。
俺、絶対におかしい。
こんなこと今まで感じたことないし、彼女いたときだってこんな風にヤリたいなんて考えたことなかった。
「晃?大丈夫?のぼせたか?」
「え?あ、いや・・・・・・。」
いつの間にか隣で肌が触れ合うくらい近くにいて。
「・・・・・・ふーん。じゃあさ、」
そこで区切ると耳元でわざと低い甘い声で呟くように。
「エロいこと想像してた?」
と意地悪く愉しそうに言う。
「ばばばば、バッカじゃねえのッ!?」
図星指されて慌てすぎてバシャっとお湯の音を立てながら後ずさりしようとした俺の腕をあっさりと掴み引き寄せる。
素肌同士が触れ合い、身体中の体温が一気に上がった。
ドキドキしすぎてるのも止められず、絶対に心臓の音バレてる。
「晃。」
抱きしめられてるからすぐ近くで聴こえる兄貴の声は愛おしい人を呼ぶような音で、ゆっくりと顔を上げるとフワッと優しく笑う。
けど次の瞬間には男としての欲望を秘めたような瞳で見つめられてしまう。
兄貴に抱きしめられた瞬間に下半身が反応するのがわかった。
そんな風に見られたら・・・・・・身体が疼く。
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