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第36話
そっと目を閉じるとやや強引にキスされる。
扉が閉じられた空間は少しの息遣いでも響いて聴こえる。
「・・・・・・んッ、ふッ、んぅ、」
強めに激しく口内を犯される。
唾液とか舌とか絡ませるたびに漏れる声とか息、絡み合う音が風呂場に響き渡る。
「・・・・・・ここじゃのぼせそう。晃出れる?」
「・・・・・・うん。」
兄貴が俺の身体をタオルで軽く拭くとそのまま横抱きして風呂から出て、洋室側にあるベッドに降ろされた。
「何で、横抱き?」
「何となくしたくなったから。」
いわゆるお姫様抱っこで、恥ずかしすぎるし!!
「晃。」
名前呼ばれて全裸な兄貴が俺に覆い被さる。
そのままさっきの続きと言わんばかりのキスをされて、頬から首筋、鎖骨へと舌を滑らせる。
温かくて柔らかな舌が這うたび、ゾクゾクと身体が震える感覚。
下半身に熱が集中しすぎて、痛いくらいだ。
こんな感覚も初めてで兄貴の舌先を身体中に受けながら若干戸惑う。
「キスだけでこんな感じるの、すげえ嬉しいんだけど。」
「・・・・・・兄貴のキス、好きだ。」
身体中が熱くてゾクゾクした感覚がずっと続いてて、正直これ以上のことされたらおかしくなりそうなくらい気持ち良くて、無意識にそんなことを言ってたらしい。
「まだ最後までするつもりないのに・・・・・・煽るんじゃねえよッ。」
髪をガシガシとかき上げ、両手を俺の顔の横につき、少し離れた距離で熱く男らしさしか感じない瞳が俺を捉えて離さない。
「痛かったら言って。初めてだし無理矢理はしたくないから。」
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