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第38話

「・・・・・・晃の中、挿れていい?」 指を引き抜かれぎゅっと抱きしめられながら、耳の近くで不安そうな声がする。 体勢からか、ぴったりとくっついてるからか腹に硬いものが当たってるのはわかっててそれが兄貴のだってのもわかる。 コレを挿れんのーーー・・・・・・? つか、入るの? 何もかも未知の世界で尻でこんな感じるとか生まれて初めてだし、それより何よりーーー・・・・・・。 兄弟でこんなことしていいのかって思う。 これより先の行為なんてしたら、俺は完全に後戻りできない。 兄貴にしか抱かれたくないって思ってしまう。 兄貴は日本の中でも有数の大企業の社長で本人がどうとか以前に形だけでも女性パートナーはいた方がいいと思うんだ。 女性との行為が無理なだけで一緒にいるには大丈夫らしいし。 けど本当にそんな現実が来たら俺はきっとーーー・・・・・・耐えられない。 「晃?やっぱり無理なら今日はやめておこうか?」 いつもはクソ腹立つほど命令口調なくせにこんな時にだけ優しいとかずりぃんだよ・・・・・・。 兄貴も俺のこと好きなのかって勘違いしそうになる。 何も言わない俺の上から離れようとするから、俺は無言でそれを引き止めた。 「・・・・・・無理、じゃない。」 この先のことなんて考えたって仕方ないし、こんな関係がいつまでも続くかとは思えない。 それならせめて好きな人に俺の初めてをくれてやってもいいと思った。

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