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第40話
「晃、ごめん・・・・・・。」
兄貴がしゅんと叱られた子犬のような顔で後処理をする。
「・・・・・・別にいいけど。」
まあつまり俺の中で盛大にイッてしまい、こんなはずじゃなかったのにと兄貴は反省しているわけで。
俺自身がそれは嫌じゃなかったし、後から聞いたけど後ろ慣らすためにローション持ってた兄貴が初めて挿入行為するのにゴムなしとかありえないらしくて、俺には同性での行為がどうなってるのかわからなかったし、ホント嫌じゃないからいいんだけど。
「・・・・・・明日帰りは俺が運転する。」
「何で?別にいつも通り俺でいいけど。」
「お前が今はまだ平気なのがよくわかんないけど、その・・・・・・初めてだとツライって聞くし。それに・・・・・・。」
「それに?」
珍しく言い淀む兄貴が不思議で聞き返す。
「これで終わりにしたくない。まだこれから夕飯だし。全部終わって、夜になったら・・・・・・ちゃんと抱かせて。」
顔を少し赤らめながら言う兄貴に、コイツでも照れることあるのか、と見当違いな考えが浮かぶ。
「抱かせて・・・・・・って、え!?あ、えっと?」
「だから、夜もう一回シタイ。さっきみたいのじゃなくて、優しくしたい。」
わざと耳元で吐息混じりに言う。
ゾクっと身体が震える。
俺も、とは何だか言えなくて無言で頷いた。
「あー!!もう、無理。お前さ本当に28にもなって何でそんな可愛いの。可愛すぎて困る。」
そんなことを言いながらまたもやベッドに押し倒される。
「その顔、他の男の前ではすんなよ。あっさりと抱かれんぞ。」
自分がどんな顔してるかなんてわからないし。言ってることが物騒だ。
グイっと兄貴の頭を引き寄せてキスをする。
「ばっかじゃねえの。こんなことお前以外としたいとか思わねえし。」
俺はゲイじゃない。ゲイになったわけでもない。
兄貴だから、好きな人だから抱かれてもいいって思うだけで他の男に抱かれるなんて絶対に嫌だ。
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