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第50話
机の前の椅子に降ろされ、昨夜と同じく真正面に兄貴が座る。
「・・・・・・ごめん。俺のせいだよな。」
「・・・・・・別に。兄貴だけのせいじゃないだろう。俺だって嫌じゃなかったし。」
「そうなんだけど・・・・・・ちょっとヤリすぎた。」
「だーかーらー、別にいいって。初めてだったし、しょうがねえだろ。慣れたら・・・・・・。」
慣れたらって、俺は何言ってんだよ。
またあるかどうかなんて、わからないのに。
これじゃあ俺が期待してるみたいじゃん。
「ふっ、お前やっぱり可愛いな。」
落ち込んでた兄貴が今度は意地悪そうな笑み浮かべ言う。
「可愛く、ねえ、っし。」
兄貴には何か俺の気持ちとか色々見透かされてそうで嫌だ。
本当に俺の考えなんて筒抜けなんじゃないかって思うほどクスクスと楽しそうに笑う。
はぁぁぁとため息をついたタイミングで朝ご飯が運び込まれた。
朝から海の幸を堪能できるメニューで贅沢な気分。魚のアラで取った出汁が美味い。これ、家で作れるかなとか考えながら食べ進めていく。
「ごちそうさま。美味かった!」
食べ終わり、夕飯と同じく部屋の外に食器などは出しておく。
「晃、あきら。」
呼ばれて振り向くと至近距離でにやっと笑う兄貴。そのまま視界がくるっと代わり、天井を見上げる体勢。その視界に影ができて兄貴が見下ろす。
朝から整いすぎてる顔が近づき柔らかな唇が重なる。
口内で舌を絡ませながら浴衣の帯を解かれ、前がはだける。
ちょうど良い温かさの手の平が胸元から腹辺りををすっーと撫でる。
脇腹、腰、背中、鎖骨へとただただ撫でる。
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