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第53話

ーーー透sideーーー 「・・・・・・くそぅ、晃のバカ野郎。それじゃ、俺のことカッコイイって思ってくれてるみたいじゃんか。」 はぁぁぁぁ。もう無理。ホント無理。 コイツが可愛すぎて俺がおかしくなる。 28歳の男に可愛いって思うのがおかしいなんてわかってるんだよ。 でもそれでも俺は晃が可愛くて仕方ない。 「俺、お前に好きだって言ったよね?」 静かに寝息を立ててる晃はもちろん何の反応もない。 というか、昨日も花火の音で聞こえなかったんだろうなあ。 その後も今朝も触れば反応するけど、告白に関しては何も言ってこないし。 ーーー・・・・・・今はまだそーゆう時期じゃなかったってことか。 「・・・・・・無防備な顔して寝やがって。腹立つ。」 高速を走っていた車をサービスエリアの駐車場に停める。 ほんのり茶色がかった髪を撫でる。 サラサラしていて触り心地がすごい良い。 あー、キスしたい。 でもなあ、今したら丸見えだろうしなあ。 けどーーー・・・・・・ほんの少しだけなら? 髪を撫でていた手を頬から顎の辺りまで撫でる。 「好きだ。」 そぉっーとほんの一瞬だけ唇に触れた。 離れるとまだ寝息を立て寝ている。 「無防備すぎ。俺以外に襲われたら承知しねえからな。」 起きない晃の頭をポンポンと撫でながら少しだけ悪態をつく。 ずっと俺の側にいて。 俺以外を見ないで。 俺と離れないで。 ーーー・・・・・・俺を好きになって。 晃なしとか、晃以外とか、体裁のための結婚とかはこの先絶対に無理だ。 それなら行動しなきゃな。

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