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第60話 交わる想い
「・・・・・・はあ、ハァっ、はあ、あきら、好きだ。」
えーーー・・・・・・?
イッた後、倒れ込むようにして抱きしめられた。
ぎゅっとさっきまでの乱暴さなんて微塵も感じさせないくらい、優しく抱きしめられる。
「・・・・・・ごめんな、好きなんだ。」
耳元で上擦った息遣いに混じりかすれ気味の声がたしかにそう言った。
「あ、あに、」
俺の中から兄貴のものを引き抜き、後処理をされる。
もう一度、顔の横に手をついた兄貴がじっと見てくる。
それは本当に愛おしいものでも見るかのように見られて顔が赤くなるのがわかる。
ドキドキドキドキと心臓がヤバイくらいに速く動く。
音が、聴こえそうでーーー・・・・・・。
「晃、好きだよ。弟としてはもちろんガキの頃からずっと好きだけど、それだけじゃなくて、恋愛的な意味で好き。」
茶化すわけでもなく、至って真面目に真剣な顔して見下ろす兄貴がはっきりとそう言った。
かあぁぁぁぁと全身に熱が回り、顔が赤くなるのがわかった。
嬉しさと恥ずかしさで思わず腕で顔を隠す。
「何、その反応。可愛すぎて困るッ。」
クスクスと笑いながら言う。
「うっるせえ、黙れ。」
「なあ、お前は俺が女性パートナーとか他の男を相手にしてもいいわけ?」
「そ、そんなのッ、」
「ちゃんと言って。」
そんなのーーー・・・・・・。
「ーーー・・・・・・い、やだ。」
嫌に決まってる。
俺だけにしてほしい。
俺以外見ないで欲しい。
泣きたくないのに勝手に涙が出てきて、アラサーの男が泣くなんてかっこ悪いって思うのに涙が止まらなくて。
兄貴がポンポンとあやすように抱きしめながら背中を撫でる。
「・・・・・・・・・・・・好き。」
「ん?何?」
わかっててなのか本当にわかってないのかわからない口調で聞き返される。
「・・・・・・俺も、兄貴のこと、好きだ。」
滲む視界の中、最愛の人に抱きついてその温もりを確かめると、さらに涙が止まらなくなって、声を上げるのは嫌だったから、嗚咽混じりにしばらく泣いていた。
◇◇◇◇◇◇
旅行編長かったですが、もうすぐ終わりです。
こうして二人は両想いになれました。
甘々系とかの話を書いてるときは中々喧嘩させることができず、何の変哲もない話になりますが、最後までお付き合い下さいませ。
旅行が終わり、日常に戻れば恋人編の始まりです♡
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