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第62話

「ごめん、俺余裕なくてかなり無理矢理抱いた。」 「別に・・・・・・兄貴だけが悪いわけじゃねえだろ。」 ラブホから出て車の中で落ち込んでる兄貴の頭をよしよしと撫でてやる。 兄貴がその腕を掴み指を絡ませて手をつなぐ。 助手席の方へ身を乗り出した兄貴が優しい優しいキスをする。 「晃、好きだ。」 「ん、俺も。」 しばらくキスだけを堪能していると、たぶんお互いにそれ以上をしたくなってーーー・・・・・・。 「・・・・・・帰るか。」 「そーだな。」 手は繋いだまま、甘ったるい空気を残した車を急いで家まで走らせる。 信号待ちのたびに指の間をそっと撫でられ、そこに感度が集中してしまい、息が上がる。 「・・・・・・変な触り方、すんなよ。」 「指の間の感度がいいと、感じやすい身体なんだって。」 「し、知るかよ。」 「・・・・・・試してみる?」 手が離れたかと思うと太ももを撫でる。 そのまま、指先が内側へと這うーーー・・・・・・。 ドキドキと期待と興奮とで身体が疼く。 「嘘。こんなとこじゃ危ねえし、続きは帰ったらな。」 信号が青に変わるとあっさりと手を離され運転再開する。 「・・・・・・マジで、ふざけんなよ。」 期待したじゃねえか。もう何度も身体を触られてそれでも足りなくて触れてほしい。 途中で夕飯の惣菜なんかを買って兄貴のマンションの駐車場に車を停める。 そのまま手を繋ぎ急ぎ足で部屋へ向かう。 家に入るなり玄関のドアを背に熱くて頭ん中が溶けそうになるくらいのキスで互いを求め合う。 「・・・・・・やべぇ、玄関だってこと忘れてた。」 苦笑しながら、顔を見合わせる。 「ベッド行く?」 大型犬が甘えるように聞いてくる。 「・・・・・・行く。」 兄貴に手を引かれ、寝室へと向かうとベッドに押し倒される。 「晃、好きだよ。」 「俺もす、」 言い終わらないうちに優しいキスをされ、熱くて柔らかな舌が首筋、鎖骨へと這う。 敏感すぎるのかその度に身体が僅かに震える。 気持ち良いーーー・・・・・・。 服を脱がされ上半身が顕になる。 少し冷たさを感じる手の平が胸から腹へと撫でる。 兄貴も服を脱ぎ、素肌が密着した。

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