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第72話
いつもよりほんの少し遅れて会社に到着した。
「高瀬社長、高瀬さん、おはようございます。」
「社長、高瀬さん、おはようございます。」
「みなさん、おはようございます。今日も一日頑張りましょうね。」
エントランスを抜け、社長室へと向かう。
背後ではいつも通り、社長カッコイイだの、社長素敵などの声がいつまでも聞こえる。
先週まではその言葉に何も感じることはなかったけど、今日はそういった言葉がやたら聞こえるような気がする。
兄貴がもしも女性も恋愛対象ならきっと不安になってただろうな。
いやいや・・・・・・女々しすぎだろ。
社長室に入りドアを閉めるなり、兄貴が抱きついてくる。
「ちょ、社長!? 何して・・・・・・。」
「・・・・・・わかっちゃいたけど、いい気分じゃないし。お前が離れてったら嫌だ。」
いまいち何言ってるのかわかんないけど、拗ねたような言い方が可愛くて頭をポンポンと撫でた。
「俺はいなくなりませんよ。今更離れられるわけないじゃないですか。」
背中をポンと撫で抱きしめ返す。
「お前は元々ノンケだしな。さっきもやたら、カッコイイって言われてたし。」
「・・・・・・へ? 俺が? それ、俺じゃなくて社長の方でしょ。」
「・・・・・・ホントわかってないね。無自覚なのが一番怖い。」
「大丈夫ですよ。俺がずっと好きなのは・・・・・・兄貴だけ、だから。」
「その言い方、ずりぃよなあ。それじゃ、キスして。そしたら少しは安心できる気がする。」
「・・・・・・し、仕方ねえな。」
バクバクと煩い心臓の音を抑えつつ、目の前の兄貴にキスをした。
「こ、これで満足、かよ。」
「照れちゃって可愛いな。ありがと、晃。」
チュッと触れるだけのキスをされ、ペロっと唇を舐められた。
ここが職場だって忘れてしまいそうになるから、やめてほしい。
いつもと同じくソファに座る社長にブラックコーヒーを淹れ、今日の仕事内容を伝える。
スマホ弄りながら聞いてるのか聞いていないのか、適当に相槌打ちながらという光景にもすっかり慣れた。
「では、俺は今から秘書のミーティングに行ってきますので。」
「はいはーい。行ってらっしゃい。」
社長室を出て、少し離れたところにある秘書室へと向かう。
本来ならば俺もそこで仕事の予定なんだが、あまりにも社長がサボ・・・・・・率先して仕事をするタイプではないので、監視役含め社長室に自分用のパソコンを置いて仕事をしている。
◇◇お知らせ◇◇
いつも読んで頂きありがとうございます。
明日は恐らく投稿できないかと思います。
毎日投稿目指してるので残念なのですが( ;˙꒳˙;)
月曜日からはまた投稿できると思います!
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そんな皆様へ感謝を伝えれたらと思ってます。
この兄弟で1話完結のお話を書いてみたいなと思ってるんですが、設定?というかこんな内容がいいと言うのがあればコメント欄に書いてもらえたら嬉しいです♡
弟攻めとかでも笑
鬼畜なのとかめちゃくちゃR18系は文章能力がなくて書けないかもですが(; ˙ ꒳ ˙ ;)
リクエストもらえたら嬉しいです!
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