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第73話

「あ、高瀬さん。おはようございます。」 「高瀬さん、この書類なんですが。」 「おはようございます。書類は後で確認しますので、内容をメールしておいて下さい。」 社長を筆頭に副社長、部長の秘書、会長の秘書が秘書長として4人体制。俺は自分で車を運転するから、必要ないけれど運転免許持ってない秘書もいるので運転手が2名いる。その内一名は会長付となっている。 「高瀬。彼が例の話の新人だ。」 秘書長の大倉さんに声をかけられる。 「大倉さん。おはようございます。」 振り返ると大倉さんの隣には中途採用とは言え、大学卒業したばかりなのかと思うほど若い男性がいる。 「羽瀬宏太( はせ こうた)です。よろしくお願いします。」 若く見えるけれど、秘書業務に配属されるだけあって、身なりや所作はとても綺麗だし言葉遣いも丁寧で柔らかな物腰という印象。 「高瀬。忙しいところ悪いが彼の教育をお願いできるかな。」 「はい。わかりました。」 「高瀬さん、よろしくお願いします。」 「こちらこそ、よろしくお願いします。」 一週間分のそれぞれの仕事内容の確認と書類などの確認をするとミーティングが終了。 「羽瀬さん、私は社長付なので基本的に仕事は社長室で行ってます。羽瀬さんはもう社長には会われましたか?」 「いえ。高瀬さん、若く見えるのに社長付なんですね。」 隣を歩く羽瀬さんがチラっと見ながら言う。 いや、俺より貴方の方が若いと思うんだけど・・・・・・とは言えず、社長室に到着する。 コンコンーーー。 「失礼します。」 「晃、おかえり・・・・・・あれ?」 「社長。社内(ここ)では呼び方気をつけて下さいよ。」 「やっぱり。この会社って透が就職したところだよね。聞き覚えあると思ったんだ。」 「・・・・・・何で、宏太が・・・・・・どういうこと?」 俺は隣にいた羽瀬さんの態度が変わったのも社長が一瞬だけ狼狽えたのもこの時は意味がわからなかった。 ◇◇◇◇◇◇ 前回のお話にコメントとレビューありがとうございました!! 時間あるときに頂いた内容でお話を書かせてもらいます。 ちょっとお時間かかりますが、待っててもらえたら嬉しいです♡

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